ラベンダーガーデン物語(11)

12月17日 昨日の嵐がまるで嘘のようだ。

昨日の嵐で無残な姿になった霜除け用トンネルハウス。


12月17日ラベンダーガーデンを台風並(気象庁発表)の嵐が襲った。大の大人が5人、10時間かけて作業をした霜よけ用トンネルハウスが、見ている前で次々と風に飛ばされていった。成すすべが無いとはこの事だ。自然の前では、人間はいかに無力であるかを思い知った。「何とか防がなければ」と「どうする事もできない」が、高速で頭の中を駆け巡った。結果はご覧の通り、延べ延長1000メートルのトンネルハウスは、そのほとんどが風に飛ばされてしまった。疲労感がどっと押し寄せてきた。

今日は無風。蔵王の全貌が何も無かったかのように、静かに鎮座していた。透明な光に輝いていた。「全てはおまえが悪い」とでも言いたいのであろうか。(陰で悪い事をしている覚えは無いのだが…?…?…あの事?…)
望郷の山は、高くて大きい等と良くいわれるが、それは間違いではないかと思う。私にとって、蔵王は高くて大きい存在として、いつでも君臨しているのだから。

12月初旬、農業関係のパネラーとして飛騨古川町に招かれた。地元の農業関係者と朝方まで、深くて熱い交流ができた。実り多い交流だと思っている。後日古川町に「愛のメッセージ」をかってに送ってしまった。それが「私のラベンダーガーデン物語9、番外編『2010年飛騨古川農文化村物語』」である。当初「古川町へのメッセージ」と思っていたが、今になって思えば、「自分自身に対しての応援歌」だったかもしれない。

パネラーの一人に、宮崎県綾町から来た郷田美紀子さんがいた。後日、郷田實著「結いの心」を送っていただき、読んで感動してしまった。「夜逃げの町綾町から…子孫に残す町づくりへの挑戦」というサブタイトが付いていた。この場で感想を書く事はできない程強烈であった。興味のある方はぜひ読まれる事をお薦めする。読後感想など頂ければ大変ありがたい。
ビジネス社出版 郷田實著「結の心」 1500円