ラベンダーガーデン物語(31)

『ラベンダー農園に雪が積もりました』

旧正月、今年は「雪」が少ないと喜んでいたら、一転「大雪」です。とは言ってもせいぜい20cm程度なのですから、雪国の方から見れば、「たったそれだけ?」と一笑され てしまいそうです。久しぶりに行った農園の「ラベンダー」は雪に潰れていました。
湿った重い雪には滅法弱く、古い株の太い枝などは、折れてしまいます。「自然の成すがままに」をモットーにしている所ですが、春になるとそのモットーはもろくも崩 れ、慌て落ちこんでいる自分の姿が目に浮かびます。 正月と言えば「1年の計」、たとへ三日坊主であっても、あるわけですが、今年はどうしたことでしょう、気力が充実してきません。仕事がごてごてになっています。 「このままではダメだわ」と深いため息をついていたら、カミさん評して曰く「今頃の時期、毎年そうよ」と一蹴。「えっ、毎年そうなんだ」そしてまた深いため息。「今 度ため息をついたら罰金を取るわよ」。「罰金だなんて、そんな」そしてまたため息。
「今年は『ラベンダー農園』なじょんすんのっしゃ」
「なじょん…て、昨年とおなずに…」
「場所がわがんねって、あっつこっつがら言われだど。すこす考えねど」
「んだなや?。どうすたらいいべ」
「看板を増やすどが、案内の地図をコンビニや商店に渡すておくどが、すなっけなんね?べなや」
「看板たでるのぬ『許可』がいると役所が話すていだども」
「ほだん堅く考えねくともいいべちゃ、そん時はそん時でなんどがなるっちゃ」
「んだがい、んだなや?。そん時は『始末書』でもなんでも書くべが」
「話し変っけんとも、先日大手の観光会社がら『ラベンダー農園に観光客を回したいがどうか』と打診があったんだげんども、この話すどう思うすか?」
「どうって、良い話すではないべが。なんか問題でもあんのがい」
「昨年も感ずたんだげんども、『コンクリートの上にラベンダーが植えである』ど思っている人が居るのっしゃ。畑(土)で栽培すている、靴は土で汚れると言うあだり前のごどを説明するのぬ、難儀すたすぺ。それが『観光客』となるど、それ以上だっちゃ。そうゆう人達ぬ来てもらっても良いんだべが、なんか違うような気もするんだげんとも」
「まあ?、あんだの考えもわがるげんとも、そのままで良いんでね?べが。これが『農村』の本当の姿という所を知ってもらうのぬは、良い機会かもすんないっちゃ。」
「んだなや?。すこす考え過ぎがもすんないなや」


『ブルーベリー農園今年初めての作業』

1月21日ブルーベリー農園今年初めての作業です。ブルーベリー栽培には欠かせない「マルチ」用の「杉皮」の収集、運搬、施肥を天候の合間を縫って始めました。
運良く近くの「製材業社」にある、大量の杉皮をほとんど「タダ」同然で譲っていただけることになり、ブルーベリー研究会会員の2トンダンプで約30台ほど運びこみました。
ここからがまた大変な作業になります。軽トラックに積み替えてブルーベリーの畑(減反田)に運びこみ、一つ一つの株もとに15cm以上積み重ねる「マルチ」をする訳です。この面積が11,000?ありますが、3月中にはなんとか終了したいものだ と考えています。ただ会員4名全員揃っての作業は各自の仕事の都合上できませんし、雨や雪の日やその後の数日間は、畑がぬかるんでトラックを乗り入れることができないので、なかなか計画当りには進まないのが実状です。
昨年5月に植付けした苗は、ことのほか順調で、中には高さ約180cmまでに成長している株が多数見うけられます。この調子で行けば、来年度の農園仮オープンにこぎ着けるのではないかとほくそえんで居る所です。しかし心配がないこともなく、昨年夏の大雨で付近の田んぼは泥水で2?3日冠水してしまいました。ブルーベリー園も例外ではありません。全てのブルーベリーの株は泥水をかぶってしまいました。
突然出現した泥水の巨大な沼を目の前にした時は、ある程度の「覚悟」をしました。
地元の話では、10年ぶりの大水だということです。このときのブルーベリーの被害は全くありませんでしたが、今後はどうなるかわかりません。こんな不安は常に付きまといます。昨年6月に「枯れるから全部植え替えなさい」と言う指導?は、一体なん だったんでしょうか。他の会員を強引にまきこんでいる身としては、まずはひと安心です。


『ラベンダー農園周辺で新しい動きが』

2月5日、町の「ハーブ菓子研究会」今年初めての会議。もう10年以上続いている研究会です。会長は東北でもトップクラスのお菓子屋さんS社、会員のハーブのお菓子に関する開発力は、私の知る限り申し分ないと考えていますが、いかんせん自社の商売には熱心なのですが、自分の住んでいる地域の「地域づくり」には、あまり関心が無いようです。「研究会」目指すところは大きく分けて2つあったのです。1つは、ハーブを使ったお菓子の商品開発、もう1つは、生活者にわかり易い環境を、農業と の連携を持った地域づくり。このニ軸が在って初めて成しうる事業ということでしたが、10年を振り返って見れば、なんの進展もなし。地域も変らなければ商売も悪化 の一途をたどっています。陰では行政、民間ともども責任の擦り合いの繰り返しです。こんな「会」はもうへきへきしていますと、ついに会議で、堪え切れずに発言し てしまいました。所が皆さん「キョトン」とした様子、「あっ、また外してしまったのか」。
2月13日、ラベンダー農園の近くの養豚農家(株式会社)H社の社員が来席。今年の4月中旬に養豚場内に豚肉と豚肉加工品の直売所を造り、付近の農家の野菜直売も 兼ね備えるとのことでした。同じ地域内に在り、ラベンダー農園、ブルーベリー農園とは約500mほどの距離にあり、今後何らかの良い影響、関係が作れればと言う提 案に、こちらこそお願いしたいと意気投合しました。さっそく「びれっじ」vol・46を1冊、開発責任者に差し上げ、p29の「しゃくなげ館」の記事を見せた所、 「あれっ、」と言う意外な反応に「あっ、また外した?」。