ラベンダーガーデン物語(32)

「大量のラベンダーが枯れました」

2000年に植えたラベンダーが大量に枯れました。直径1メートル以上に育った大株が物の見事に枯れました。「涙」の出る思いです。枯れたラベンダーを試しに掘ってみたら、土が堅くてスコップの「刃」が立ちません。原因は、畑に大勢の「人間」が入る事で土が踏み固められてしまった事と、山の畑のため「粘土質」の土壌特有の現象と 考えています。当初ある程度は「あるだろう」と予想はしていたものの…これほど悪い影響が出ようとは、「自然」を甘く見ていた結果でした。反省です。
「随分枯れだなや?こだごって今年の開園は大丈夫だが?」
「ざっと見で、全体の5分の1は枯れでいる見だいだ、なじょすっぺ」
「今年の開園は中止にすっぺが?」
「んだなや?。んでもこごさ来て中止は出来ね?べは。補植すて開園するすペ」
「んだが、来てがっかりするお客さんがいるがも知れねげんとも、これも農業だがらすかだねえべ」
「や?や?、ほんと身体の力ぬげるなや?」
5月6日、男3人が1週間かけて、約3000本のラベンダーを補植しました。もちろん今年の補植分は、来年、再来年に向けての補植です。小さすぎて今年の役には立ちません。
「たった3000株植えるのぬ、1週間もかがるのすかや」
そうなんです、苗を1本植えるのに、直径1メートルの穴を掘り、そこに「炭」を入れてという大変な作業でした。「微生物」の力で粘土質の土壌を改善しようという、時間のかかる気の長い話にチャレンジです。結果が出るのには数年かかることでしょう。どうか苦労して補植したラベンダーを盗らないで欲しいとの願いも空しく、開園してからすでに10株のラベンダーがなくなっていました。
「いっぱいあるから盗っていいはずないっちゃね、何考えでいるんだが…」
こんな事何時になったらなくなるんでしょかね。


「観光か農村交流か」

今年のラベンダー農園は、結果として延べ20台の観光バスを受け入れる事にしました。
一度は「観光施設ではなくただの畑ですよ」と断ったのですが、「それでも良いから」と言う担当者の強い依頼に、断りきれなかったのが実状でした。
「この農園は詐欺だ!」
6月19日、予約なしで来た関東の20名ほどの「おばさん」集団のきつい一言。一体何にそんなに腹を立てたのでしょうか、2?3日立ち直る事が出来ませんでした。 「200円の入園料が高い?」「お土産をあげなかったから」「目当てのラベンダーがまだ咲いていなかったから」「集団のおごり?」…?。
「遠藤さんそんな事にいちいち腹を立てていては団体は受け入れられないよ」とは、蔵王で観光施設を営業しているスタッフのアドバイス.。「話」としては理解できるが、「納得」出来ません。はたしてそれで良いのだろうか。「農村」と「都市」の良好な関係とは言えません。
「もう2度と観光バスは受け入れない」とため息混じりの独り言に、かみさんいわく「あんた支払どうすんの!」この強烈な一声には返す言葉がありませんでした。
思案の挙句ラベンダー園内にこんな立て札を立てました。「本当に楽しんで頂きたいのは、ありのままの農村風景です」。「よけいなお世話よ」とまた叱られるかもしれませんが、一度立ち止まって「日本の農村」について考えるきっかけになれば、また願わくは農村の「おばちゃんやおじちゃん」と少しでも話が出きれば良いのにと考えています。農村では自分たちが食べる野菜には「農薬」使わないけど、市場に出荷する野菜には「農薬」を使うと言う疑問の答えが見つかるかもしれません。イギリスやヨーロッパの農村だけが素晴らしいのではないはずです。日本人が日本の農村に「誇り」が持てなければ農作物の「安全」など議論できないんだけどな。今感じているのは「都市」と「農村」の距離感です。


「ブルーベリー農園は順調に育っています」

ラベンダー農園は悲惨な状況ですが、ブルーベリー農園はことの他順調に育っています。
この調子で行くと来年度には「摘み取り農園」として開園できるかもしれません。早いものは食べられる実も出てきました。こちらは11000uあります。 「ブルーベリーが7月には収穫できるんでねすか、どうすっぺね?」
「けっこう実がついだなや?。今年収穫でぎっとは思わねがったなや」
「このままぬすておぐど、とりこの餌ぬなってすまうど。なぬが良い方法ながすか」
「んだなや?。なぬも考えねがったなや」
「取り敢えず、初収穫のブルーベリーは神棚ぬあげっぺ」
「んだなや、すてまだ飲むのがわ」
「最近、なんだかんだで飲むはなす多ぐね?すか」
「んだなや?。それだげ人の和が出来できたんだべ、良いごどだっちゃなや」
「んだ、他の町の職員、駅長、スーパー経営者、観光会社の支配人、新聞記者、変わったとごろでは警察官、そう言えば銀行の支店長もいだべ」 「この町の職員がいね?てのはすこすさみすいなや」
「まっ、焦らず、すこすずずってこどだっちゃなや」
「んだね?、なぬがすたい人間がこれだげ集ってきたんだがら心強い話すだなや」