ラベンダーガーデン物語(4)

2000年1月30日(日)


1月30日、起工式

急きょ起工式をする羽目になってしまった。

 1月16日、地区民全員に「ラベンダー園事業」の説明会を実施、快く受け入れられたと思う。その後は例によって、永遠5時間にも及ぶ大宴会。こう度々続くとさすが参ってしまう。地元に溶け込むには仕方ない事なのか。ちなみに私は「酒」は殆どだめである。宴会のテーマはラベンダー園、地域や農業の活性なので絶えられるのかもしれない。
その時の話で、長老の一人が「今は土用なので土を動かす事が出来ない」と言い出した。寝耳に水である。何故なのかと問い直したところ「昔からそうだ」との答え。一同静かになってしまった。しばらくの沈黙の後、「お払いをすれば良いのではないか」の一言に皆が賛同。そんなわけで「地鎮祭・起工式」のシナリオが出来あがってしまった。
起工式の後はまたも5時間にも及ぶ大宴会が待っていたことは言うに及ばない。後に聞いた話なのだが、土用に屋敷の土を動かしてはだめだと聞いた事があるが、畑の土を動かしてだめだという話は聞いた事が無いとの事。何故その時話してくれないのかなとその人をねたましく思った。
 今のところ順調に進んでいるようだが、地元には小さな火種が起きつつある。どこにでもあるような地域の人間関係だが、「あの人が参加するんなら俺は参加できない」と、「何世代にもわたって集落生活をしててそれは無いよ」と言いたい所だが、間に入ってどちらの顔も立つように収集しなければならない。
携帯電話のベルがけたたましくなった。「畑に無断で入ったので警察を呼んだ」との事、すわ一大事と思いきや、またも地元住民のトラブル。いいかげんにしてほしいと思いつつ関係の無い私は菓子オリ持参で謝りに?、事無きを得た?。そんなこんなで翻弄されている訳だが、なぜか腹の立たない自分が不思議に思える。
 畑には数百本の手入れのされていない果樹が残っている。立派な薪になるので地元民に呼びかけたところ、今は必要が無いらしい。「近代的?」生活が果たして豊かなのかどうか考えさせられてしまう。