●フロム蔵王アイランドの
     ゆかいな仲間たち(97.3)

アイランドの仲間たちの近況をご紹介。

 動物たちにとって初めての冬。1月から2月にかけて雪と強風が吹き荒れる日々がやっと峠を越え日差しもずいぶんと和らいできた。しかしこの冬、厳しい自然の中の営みとはいえいくつかの悲しい出来事があった。

「山羊と羊」
 彼らは冬の間一日中何をしているかと言えば、ひたすら食べている。暗くなったらゆったりくつろいでいると思うでしょ? 小屋の隣は陶芸室で窓越しに覗けるのだけど、夜10時現在、彼らは食べていた。

「フランス鴨」
 一月六日の雪の朝、毎朝「ガーガー(えさよこせ〜)」うるさいアヒルの声が聞こえない。消えていた。キツネにとられた。鶏も三羽とられた。翌々日には、鴨も一羽消えた。できるだけ自然のままで(人に依存しないで)飼いたかったけど、少しあきらめた。池の氷が溶けて中州の住みかまで渡れなくなるまで、小屋に閉じこめるこ とにする。

「鶏(にわとり)」
 ここの寒さはただでさえ厳しいのに、鶏小屋は特に冷える。「蔵王おろし」がまともに吹きつけるのだ。毎朝バケツの水はバケツ型に凍りつき、荒れ狂う地吹雪が10センチ以上も雪を吹き込ませた夜もある。この冬三羽のメスが、静かに静かに死んでいった。見つけた時はまだぬくもりがあったけど、赤黒く変色し始めたとさかが悲しい。いっそキツネにやってしまおうかと迷ったが、やっぱり埋めた。合計六羽減ったけど、会津地鶏の血を引く三羽の若いメスが仲間になった。現在合計11羽。