<フロム蔵王アイランドガーデン>
フロム蔵王アイランドに初雪がふった。いよいよ本格的な冬の訪れである。しかし今年は例年より雪が少ない。近隣のスキー場には、十分な積雪が無いようで、関係者のボヤく声が聞こえてくる。 夏の間アイランドを我が物顔でかけまわっていた鶏、あひる、フランスガモ、ヤギ、羊達にとっても初めての冬であり、初めての雪である。半野生で育ててきたとは言え、全て雪で覆われる冬は、自ら餌を取ることさえままならない。雪解けの4月頃までは、人間の手助けが必要になって来る。 我々人間にとっての冬は、「いかに自然と係わるか」を問いかける良き時間になる。昨年出来なかった、山ほどある課題をふまえて、今年は「自然とどう付き合うか、付き合ってもらえるか」を、限られたスタッフ、限られた時間の中で、考えようと思っている。考えた事すべてが正しいとは思えないが、自然に対して問い掛けていく事が、一番良い方法なのではないだろうか。 |
里にも初雪が降った。しかし積もる程ではない。ハーブの殆どは、雪の中で十分越冬する。実に丈夫な植物なのである。寒さに弱い数種(レモングラス、ゼラニューム類、フレンチラベンダー、ナスタチューム、ステビアなど)を覚え、それらを日のあたる室内で管理すれば、その他のハーブ(100種以上)は、地植えでも十分越冬する。冬に枯れてしまう一年草の中でも、ボリジ、カモマイル、レッドキャンピニオン、デル、フェンネルなど、こぼれ種子で秋に発芽し、そのまま越冬し、春には大きな株になる種類もある。ヨーロッパの雑草であるハーブは、実にしたたかなのである。 冬のガーデンの楽しみは、何と言っても来たるべき春のガーデンデザインを考えることにある。草花は2〜3年、花木やコニファーになると3〜10年の歳月の経過を考えるのである。ストーブのある部屋で、数冊のガーデンブックを並べ、調べ、「今年は、10年後はどうしようか」と考える、ワクワクした気持ちが味わえる絶好の季節なのである。 |