●フロム蔵王 四季の便り<1998.JAN>

 
<蔵王ハーブファームガーデン>

 正月、久しぶりに雪が降った。子供の頃はもっと雪が多かった気がするが、近年は少ないようだ。雪が降っても仕事をしなければならない身の上なので降らない方がいいのだが、年末年始の客を当てにしていたスキー場やホテルは大変らしい。知り合いのペンションでも予約が少ないとオーナーの悲鳴が聞こえてきた。
 雪のハーブガーデンは様相が一変する。濃い緑を残していた常緑多年草のラベンダー、タイム、ローズマリー、ベイ、クリスマスローズや少し紅葉しながら春を待っているフェンネル、オレガノ、ボリジ、スイートバイオレット、キャットニップ、レモンバームなどはすべて雪の下だ。
 この季節になるとガーデンを訪れる人は殆どいなくなる。寒さのせいもあるのだが、雪のガーデンもなかなかいいものだ。きれいでもある。ガーデンを見学しながら自分と会話をすることが出来るかも知れない。ちょっとした勇気さえあれば、今まで知らなかった世界を見せてくれるのが冬のガーデンである。
 白い雪のかかったロサ・エグランテリアの紅い果実はどうだろうか、冬ならではの美しい風景ではないだろうか。